人は生まれによりて聖なるものとなるにあらず、また、生まれによりて聖ならぬものとなるにあらず。人はその行為〝業〟によりて聖なる者となる。
また、その行為〝業〟によりて聖ならぬものとなる、草木や動物に於ける、その有り様に付いては、杉の子はどこまでも杉である。松の子はどこまでも松であり、蟻の子はどこまでも蟻である。
明らかに生まれによって、相違の別ありと言う原理が支配している。
だが、人間の世界はそれと同じでない。
差別を支配する原理は、もはやその生まれではなく、その行為である。
(上巻257頁、昭和47年、Copyright © 2004 公益財団法人日本心霊科学協会)